マイナスイオンと観葉植物
『空気中のプラスイオンは、排気ガスや工場の噴煙、電化製品などから発生するため、現代社会では年々増加傾向にあり、それが原因で、マイナスイオンが激減している。
- この空気を吸うことで体内中のプラスイオンも増え、集中力の低下、物忘れ、イライラの原因等につながるため、体内プラスイオンを可能な限り除去し、マイナスイオンを意図的に取り込む必要がある。』
- その際、プラスイオンを除去する方法例としては、排気ガスの少ない『早朝の掃除』の奨励、『電化製品不使用時のコンセント取り外し』等が挙げられていました。
- また、マイナスイオンを取り込む方法としては、『大量の水と水とがぶつかり合う(シャワールーム・銭湯・サウナ・噴水・滝等の)場所へ足を運ぶ』こと。
- 加えて、『観葉植物』が大きく取り上げられ、その設置が推奨されていました。
- 『観葉植物』の中でも、特にサンセベリア・ローレンティー(俗称;虎の尾)がマイナスイオン発生に効果が大きいとして放送されたため、観葉植物業界では、一時、サンセベリア・ローレンティー(俗称;虎の尾)の売り切れが続出する等、ちょっとした事件となりました。
- 以来、サンセベリアは根強い人気がありますが、従来より、マイナスイオン発生の効用について、サンセベリアが特別優れているという実験データは乏しく、植物全体で捉えた場合も、マイナスイオン発生は、植物がもつ能力のほんの一部に過ぎないと、私たちは考えてきました。
- そうした見地から、『観葉植物=マイナスイオン』という短絡に陥らないでいただきたいという願いも込めて、このレポートでは、観葉植物の本来の効果・効用を、改めて、深く掘り下げ、特にオフィス環境改善のための検証を試みていきたいと思います。
- 最近の研究では、緑が目に入る環境、つまり、緑視率が高いほど、心理的騒音低減効果も増加することがわかってきました。
- 心理的騒音低減効果とは、実際聞こえている音より、緑が目に入る環境では、うるさいと“心”が感じなくなる、または低減されるという効果です。
- キャンプに出かけ、早朝、森を散策する時など、川のせせらぎの音や小鳥のさえずりを、うるさいと感じる人がいるでしょうか。それと同じような意味合いがあると考えられます。
- つまり “リラックス”している状態だということになります。
- アフリカのジャングルに祖先をもつ私たち人間が、緑を見てリラックスするのは、遺伝子に組み込まれた当然の反応だとする学者もいます。
- この緑視率と“リラックス”の関係は、脳波のうち精神安定状態を示すアルファ波の研究によっても実証されつつあります。
- 植物が目に入る環境では、アルファ波が増幅される。
- その結果、血圧が低くなり筋肉の緊張がほぐれ、皮膚の電気抵抗が少なくなる。そして心拍数が減少する。
- “リラックス”してしまうのです。
- こうしたストレスの低減作用は、一般に植物の持つ“心理的効果”“生理的効果”と言われています。
湿度調整効果
- 突然ですが、現在のお部屋の湿度は、適切であるかどうかご存知でしょうか。
- 暑いときも寒いときも一年を通してエアコンに管理された部屋の中にいると、それだけで、湿度も適切な状態で保たれていると、多くの人が勘違いしてしまいがちです。
- しかし、エアコンで冬場の室温を20℃以上に上昇させると、相対湿度は20%台を切ってしまい、逆に夏場、除湿機能を使って湿度を下げると、同時に気温も2~3℃上がってしまうという実験データが某家電メーカーにあります。
- 室内の相対湿度が乾燥状態の30%前後になると、目・鼻・喉などの粘膜に影響がではじめ、風邪や乾燥肌の原因に直結すると言われています。
- 室内での快適な相対湿度の範囲は50~60%と言われていますので、空調機器に任せきりで、室温調整メインの室内環境づくりだけでは、本当の快適さは得られないと言っても間違いではないでしょう。
- 次のグラフを見て下さい。
- この実験は、室内に観葉植物(シェフレラ“ホンコン”)を置いて室内温度変化(第1図)と相対湿度変化(第2図)を調べたものです。室内温度の変化には、ほぼ影響は与えていないにしろ、相対湿度の方は、ほぼ快適値に維持する効果が出ている様子がうかがえます。
- * この実験では明らかにされていないが、同時にフィトケミカルという植物が作りだす化学物質が、カビの胞子を抑制し、植物を置かない部屋よりも50~60%も軽減したという研究発表もある。
- その他、植物は葉面から蒸散する水分が、夏は気化熱を奪うことによって気温上昇を抑え、冬は熱を放出して気温の低下を防げるスプリンクラー効果。
- また、戸外では、植物の有無によって周辺の気温が3~5℃も変化すると言われている緑陰効果などが挙げられます。このふたつの効果については、室内でも充分発揮することできるかどうかが、今後の研究に寄るところが大きい内容です。
土壌の汚染について
- 目的が有害物質の除去・空気浄化となると、「植物が育っている土」がないと、その働きに多くの期待は寄せられないのです。
- つまり、植物の葉や根は確かに前出の有害物質を吸収し、きれいな空気を送り出してくれますが、実際は、その土から、より多くの有害物質を吸収しており、正確に言うと、土中の“有用微生物”こそが、本当の有害物質除去の“パイオニア”なのです。
- 3種類の室内環境とは、
- 1)何も置かない
- 2)有用微生物が存在する土のみを置いた
- 3)有用微生物が存在する土に植物が植わった鉢を置いた環境です。
- 1)の何も置かない環境では、空気中の分解・意図的でない換気等による自然減少が若干見られますが、2日経っても、ほぼ高濃度のままであることがわかります。
- 2)の有用微生物が存在する土は、最近まで植物を育てていた土を表しますので、3)の、実際植物が植わっている鉢を置いた状態ほどではありませんが、かなりの浄化効果が見られます。
- 換言いたしますと、2)の環境で残ったホルムアルデヒドから、3)の環境で残ったホルムアルデヒドを差し引いた量が、葉や根による吸収効果であると考えられ、空気浄化の働きは、やはり有用微生物が主であると言う見方ができます。
- では一体、土の中の有用微生物とは、どんな働きをしているのでしょう。
- ここで言う有用微生物とは、自然界にある乳酸菌、酵母菌、光合成細菌などを培養して共生させた善玉菌で、EM菌、BM菌等と呼ばれ、現在では植物生産農家などで、広く用いられています。
- これらの菌は、効率的に汚染物質を除去していくだけではなく、驚くことに汚染物質にさらされれば、さらされるほど、それに適応して数が増え、有害物質の除去率も飛躍的に増加させる力を持っています。
- さらに、結果として、除去されたかのように見えるこのホルムアルデヒドなどの汚染物質は、実はこの有用微生物が生物分解し、植物がその生育のために利用できる物質にまで変えてしまいます。
- つまり、除去されたのではなく、有用微生物が汚染物質を植物の栄養になる物質に、“リサイクル”してしまったのです。
以上のような事項も含め、現代においては、働き方改革の一環として職場の環境づくりがすすめられています。その中で、「緑の力」が改めて見直されています。オフィス環境計画として観葉植物の導入が多く見受けられます。そこで、初めは自社購入される方も多く見受けられますが、やはり生き物ですので日々の管理が出来ない、すぐに枯れてしまう、処分が大変、種類が変わらず飽きてしまう、関心が無くなる、レイアウト変更に現状の植物では合わない等のお声をよく聞きます。そのような問題を全て解決出来るのがグリーンポケットの観葉植物のレンタルです。ただ、植木を設置するのではなく、そのオフィスに適した最善のご提案(器や植物の種類)をさせて頂き、より良いオフィス環境づくりを目指しております。