緑色の持つイメージ

緑色は、ボジティブなイメージとしては、若さ、新鮮、癒し、安全で、ネガティブなイメージでは、未熟、受動的、保守的といったところです。

ポピュラーな色ですが、実は国や文化によって違う色です。

特にヨーロッパでは、意味や好みが違う色です。

 

世界の緑

英語のgreen草草grassyや育つgrowと語源とは同じとされています。

アメリカのドル紙幣は裏面の色からgreenbacksと呼ばれていますが、最初に

紙幣が作られた時から緑色で、今日使われている小額紙幣が1929年に

最初に出来た時にも、財務省印刷局は引き続き緑のインクを使いました。

2008年、バラク・オバマ大統領は、自然エネルギーや地球温暖化対策に公共投資することで、新たな雇用や経済成長を生み出そうとする「グリーン・ニューデール政策」を宣言、500万人のグリーンな雇用を創出し、新たな経済の発展を支えるとしました。これら環境産業に従事する人は、従来のホワイトカラー、ブルーカラーと並び、グリーンカラーと呼ばれています。

ヨーロッパでは、現在環境問題に意識が高く、自然を象徴する緑はプラスのイメージです。しかし、中世ヨーロッパでは必ずしも良いイメージではなく、むしろ悪魔。毒を連想させるものも多いようです。イギリスでは、20世紀の初め頃まで緑色は不吉な色と考えられ、舞台俳優でも緑色の衣装を着ることを嫌っていました。ホラー映画に登場するモンスターの多くは青緑系です。

また、運命や偶然の色とも考えていました。緑=自然、つまり自然の脅威は人間の力ではどうしようも出来ないことから、緑は人間の支配出来ない色と認識されたのです。その考えからか、人を振り回す偶然の色、運命の色として、

賭博のテーブル色は緑です。ビリヤード台、カジノのポーカーやルーレットを行うテーブルは緑が使われています。

国旗のみどり

緑はイスラム教にとっては聖なる色で、イスラム教の預言者、ムハンマドは

緑色のターバンをしていたと言われています。

アラブ諸国の国旗に用いられる色は、イスラム・アラブ色とも言われ、

赤、黒、白、緑を基調とするのが普通です。

 

凡アフリカ色はお主に国旗などで使用される三色の組み合わせです。

赤、黄色、緑の三色の組み合わせを指します。

この三色はエチオピアで使用されます。

赤は殉教のために流された血、緑はアフリカの植生、黄はアフリカの富と繁栄を象徴しています。

 

日本の緑

 

日本で「みどり」という語が登場するのは平安時代になってからで

新鮮で生き生きしている様や、艶があって若々しい様を示す意味で、それが転じて新芽や枝を示す様になったと言われています。

 

日本は緑色と青色を、同じ意味で使います。

青信号が代表滴で、青リンゴ、青虫、青海苔、青々とした芝など、実際には緑色なのに青色と表現されます。

日本には本来、赤、黒、白、青しか言い方がなかった為とも言われますし、「青二才」という言葉のように、果実の熟し具合の転用で「幼い」「若い」「未熟である」という意味で一緒になったようで、生まれたばかりの赤ん坊のことを

嬰児(みどりご)と言います。緑色と青色を明確に切り分けない言語は非常に多く、東アジアの漢字文化圏、東南アジア、インド、アフリカ、マヤ語など

中南米の言語にも見られます。

 

また、日本人の持つ緑のイメージについて、あるプロバイダーが調査したところ、1位が白、2位が緑、3位が青。気分が落ち着くランキングでは緑が1位でした。